2009年9月9日水曜日

DC博物館巡り①

↑航空宇宙博物館入口。休日とあって、大混雑。

 DCの名物といえば、勿論ホワイトハウスやキャピタルヒル(国会議事堂)も有名ですが、自分にとっては、やはり何といっても博物館・美術館巡り。何しろ基本タダですからね、タダ! 
 無料なのは有名なスミソニアン博物館ですが、これは一つの博物館を指す名称ではなく、十数にわたる博物館・美術館の総称なのです。暇を見つけては、博物館・美術館巡りを楽しむ、これぞDC生活の醍醐味と言えるでしょう。

 その中でも一番人気なのが、「国立航空宇宙博物館(National Air and Space Museum)」。
 そもそも、宇宙・ロケット・戦闘機と聞いて、目を輝かせない男がいるでしょうか? いや、いない、いるはずがない。そう、男は永遠にロマンを追い求めるもの。え、いい年した大人が目をらんらんとさせているのは不気味? そうですか。

 さて、実際に入ってみると、飛行機や宇宙船、ジェット機が展示されている割には、意外にこじんまりした印象(本当に大きなものは、別館に展示されています。)を受けます。が、その展示品は実に多種多様。網羅的に紹介しようと思ったら、いくら紙面があっても足りないので、気になったものをピックアップしてみます。
~めぐりあい宇宙~
 スプートニク号の打ち上げから、米ソ間の宇宙開発競争、そして現在の宇宙ステーションに至るまで、宇宙を目指した人類の軌跡が網羅されています。
 面白いのは、宇宙開発を巡る米ソの考え方の違いで、スプートニク号の打ち上げのみならず、「地球は青かった」で有名なガガーリン(ソ連)に有人宇宙飛行で先を越されたアメリカは、その20日後に慌てて有人飛行を行い(少し落ち着け)、月面着陸は絶対アメリカが一番になるんだもんね、とばかり国力を挙げて宇宙開発に邁進し、アポロ11号によってその夢を実現したのはご存じの通りです。
 一方、ソ連は、人を月面に送るだけの推力を有するロケットエンジンを開発できなかったこともあり、月面着陸にはあまり熱心ではなく、むしろ宇宙ステーションの開発に力を注いでいったように見えます。当時のソ連科学者のメモも一緒に展示してあって、「月面着陸を実現するためには、アメリカのNASAみたいな組織を設置して、国が一体となって取り組まなければいけないのに、こんなバラバラに取り組んでいたら、アメリカに先を越されてしまう。上は一体何を考えてるんだ・・・」とこぼしてます。う~ん?、なんかどっかで聞いたような話だなあ。

↑初の人類の月面着陸を実現したイーグル号(の予備)。本物は月面に残っています。アームストロング船長の月面着陸時のセリフ「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」は有名ですね。 余談ですが、当時のニクソン大統領が月面着陸後、飛行士たちに、回線で長々と祝辞を述べようとして、「飛行士の予定が詰まっておりますので」とオペレーターに止められたそうな。空気よめニクソン。

 さて、アポロ11号とその月面着陸船イーグル号により、無事月面着陸一番乗りを果たしたアメリカですが、アポロ計画終了後、しばらく宇宙開発が停滞します。一番になったからもういいや♪、的なアメリカのノリ、嫌いじゃあないですよ。他方、ソ連の方はその後も宇宙ステーション開発を地道に進めてます。単に「一度取った予算は絶対に減らさせんよ、グヘヘ」的なノリではない・・・はず。

↑真ん中に見えるのがハッブル望遠鏡(の実物大模型。実物は宇宙を周回中)。でかっ。 

 ところで、ロケットや宇宙船と同じところに、剣呑なことに、ひときわ大きい核ミサイル(中距離戦略核)も一緒に展示されています。で、ロケットと勘違いしたと思われる観光客が、満面の笑顔で核ミサイルと一緒に記念写真を撮ってたりします。いや、それ、笑顔で撮るもんじゃないから。知ってて笑顔だったら余計に怖いけど。  

 最初は、「何で核ミサイルとロケットが一緒なのかしらん」と不思議に思っていたのですが、解説を読むと、なるほど、宇宙へ行くためのロケットは、もともと兵器であるミサイル(元祖はドイツのV2ミサイル)から発展していったんですね。アポロ計画で使われたサターンVロケットを開発したフォン・ブラウンも、もともとはドイツでV2ロケットを開発した人ですし。

 このフォン・ブラウンという人、ナチス親衛隊に属していたこともあり、アメリカに亡命した後も叩かれていたようですが、その際の弁明が、「宇宙にいく為なら悪魔に魂を売り渡してもよいと思った」。・・・か、格好いいぜブラウンさん! さすがV2ロケットを作った功労者なのに、「軍事兵器の開発よりも、月に行けるロケットの話ばかりし過ぎるという理由で、ゲシュタポに国家反逆罪で捕まっただけのことはあります。

~哀戦士たち~
 宇宙船と並んで、世の男性陣を惹きつけてやまないのが、戦闘機でしょう。特に、映画トップガンを見て皮ジャン(でしたっけ)に憧れた世代や、ジェーン年鑑が好きで好きでたまらない人は、欣喜雀躍するはず。かく言う自分は、宇宙と比べるとあんまり・・・。だってモビルスー(以下自粛)と比べたら雑k(もごもご)。

 とはいえ、実際に見る戦闘機は、当時の技術の粋を凝らしただけのことはあり、工学的な美しさがあります。また、時代ごと、国ごとの特徴もそれぞれあって、見ていて飽きません。


↑さすがに外せない、三菱零式艦上戦闘機52型 A6M5(ゼロ戦)。というかゼロ戦って三菱製だったんですね。知らなかった・・・。

↑写真は下手だけれども、実物はもっと格好いいドイツのジェット戦闘機 メッサーシュミットMe 262A。ドイツのWWII時の戦闘機はどれもいいなあ。 

 また、戦闘機だけでなく、当時のエースパイロットの話もあったりして、こちらも面白いです。他方で、戦争の悲惨さを訴えた展示もあり、こちらもリアルで、迫力があります。

 しかし、一つ不満を挙げるとすれば、なんでエースパイロットにルーデル(※)がいないんだ! スターリンから、「ソ連人民最大の敵」と名指しで攻撃されたぐらいなのに。いや、まあ確かに正確には、戦闘機の撃墜王ではなくて戦車破壊王なんですが、そんな細かいことはどうでもよろしい。それにしても、フォン・ブラウンといい、ルーデルといい、ドイツ人はやっぱり(色んな意味で)すごいなあ。

※ルーデルについてはこちらを参照

※ちなみに、「航空宇宙博物館より、ブラウンとルーデルについて書きたかっただけじゃないの?」と思った方、鋭い!

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